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「Cruxx」が現地Forumにて発表したデッキ構築方法「the rule of six」の翻訳記事です。
バージョンアップなどで新しいカードが増えると有力なデッキレシピも少なく暗中模索のデッキ構築を迫られる機会もおのずと増えると考えます。その場合の指針なり参考なりにご利用いただければ幸いです。
(下記、「クリーチャー」は「アリー」と同義、「役割」と「ゴール」もほぼ同義の言葉として捉えてください)
The rule of six ~6役割6枚カードによるデッキ構築~
私はこの記事を通じて初心者が強いデッキを作る方法を指し示すだけでなく、ベテランプレイヤーの皆様が自分のデッキの安定性やデッキ構造を見直す一助になれば良いと考えてます。
デッキに持たせる6つの目標およびその達成に必要となる最低6枚のカードたち
- 1 最も基本的な事
デッキの枚数はだいたいの場合40枚が丁度良いとされています。ここでも、41枚以上のデッキを作ると各々のカードに関わる数的事情が込み入ってややこしくなるのでデッキは40枚で組む、という事を前提にしましょう。さて、貴方は「X」枚のカードグループをデッキに仕込めば、そのうちの1枚は1勝負につき高確率でドローできます。
このルールは現在のデッキ下限40枚の仕様の中で磨かれ、洗練されていったものですが、私の経験によると「6枚」より少ないカード枚数というのは、試合中ずっと必要性があるカードを1枚以上は引きてきたいなと考えた場合、少々こころもとない数字であります。
なぜ「6」枚か? 一つの理由は個人的なフィーリングですが、もう一つとして6枚あれば4ラウンド中3ラウンドはそれらを手中にできる感じになります。これはけっこう信頼できる確率だと考えます。
- 2 基盤作成
さて。上記のアイデアにのっとり「6」の役割に割り当てた「6」枚ずつのカードを用意しましょう。6かける6で36枚。これでほとんどデッキの理想枚数39枚に肉薄しますよね。リソースのカーブにも気をつけてください。低コストカードばかり、あるいは高コストカードばかりのデッキになっては回るものも回りませんからバランスを考えて配置しましょう。そして「役割」の中には対・全デッキ用ではない特定デッキへの専用役割というものがあってもそれはそれで構わないです。それらのカードは状況によってサクリファイス&リソース要員としての役割に転ずるでしょう。
「役割サンプル」
大抵のデッキが持った方がよい2つの役割
A-カードドロー
カードが絶えず沢山あれば敵の戦略に対応でき、有益なプレイングをする事ができます。職別のドローソースが無い場合には平凡な解決策として6枚をバザーとバッドサンタで埋められます。
B-アイテム破壊
大概のデッキは有力なアイテムがその動きをサポートします。アイテムを放置すると壊滅的な打撃を受けかねませんので、例えば職別アイテム破壊がなく、おまけにシャドーヒーローで戦う場合はシュリーク3枚とアシッドジェット3枚などはいかがでしょうか。
オーケィ。だいたいのアイデアとサンプルが掴めたところで、完全なデッキを目指してもっともっと作り込んでいきましょう。私はウルフ使いなのであくまでウルフを例として話を進めていきますね。
C-ヘビー火力
ボードがなぎ払われた後、相手が対処を余儀なくされるクリーチャー(対処しなかったら手痛いダメージを受ける)を出したくなるのでプラズマビヒモス4体と、それが死んだ場合の回収用にシャドウナイト2枚を使います。
D-信頼度の高いクリーチャー
クリーチャー達は多くのデッキにとっての「パンとバター」です。(※訳者注:『必要不可欠』、に近いニュアンスだろうか) 私は耐久力と効果性によりケルダー3枚とデスメイジ3枚を使います。
E-クリーチャーコントロール
50%の確率で、私たちはゲームを後攻の立場でプレイせねばなりません。敵はワレワレより早くクリーチャーを展開します。これを除去するためにユーアーマイン3枚とキャプチャードプレイ3枚を入れました。
F-延命
私はエラドウィンのような早期デスレースデッキに易々と敗北するのはごめんです。~(※訳者注:ver1.29当時は圧倒的な火力カードで序盤に相手を瞬殺してしまう、エラドウィン火力デッキが最有力候補だった)
3枚のリジェネーションと3枚のフルムーンが早々のライフ切れを防いでくれるでしょう。
やった。これで私のゴールは達成できます。
(※以下スレ分けで他プレイヤーの「役割分け」を見て添削やアドバイスを行うパートがございますが、割愛します。例えば「序盤展開用アリー群」という役割に紳士4・骨壁2を採用しているデッキを見て「序盤展開カードは、6枚より多く入れておかないと序盤に安定して手元にストックできないぞ」と助言をしたり)
さて。39枚中36枚を決めましたが、残りの3枚は全体を見て選んでください。例えば私のウルフデッキではクリーチャーが12枚しかなく、そのうち6枚が高コスト帯なのでグッドな低コストクリーチャーの水増しとしてパックウルフ3枚を採用してます。
6枚というのはあくまで最小値です。例えばバーンデッキにおいて「火力」の役割に費やすカードが6枚だけでは少なすぎるでしょう。6×2で12枚、それでも物足りないかもしれませんね。
個人的には特化型デッキというものに対して私の考えは懐疑的です。というのもそれに適応できる相手にはまんまと食い物にされてしまう恐れがあるためです。そのため、私はよく最終決定に幅をもたせて、かっちり固定せずに多少の融通を効かせます。(※訳者注:デッキの役割が「6個」に分化している事への物言いだと思われる) つねづね忘れないでいただきたいのは、相手に対して噛み合わない「役割」のグループ、1個や2個、に属する6枚から12枚のカードたちはサクリファイス用に活用できるという点です。
- 3 適合化
さあ。実際にカードたちを選んだ6つのテーマに沿って組み合わせましょう。くれぐれも関係性を失ったカード達がバラバラのゴールに向かって四散霧消してしまわぬように。シナジー(コンボ・相乗効果)を利用するために考えるべき事は沢山あります。
この「ルール・オブ・シックス」構築法の優れた点は、たとえば自分のデッキの一部に気に入らない点ができても、「役割」を組み替えて再構成がきく点です。
例えば私たちの6役割の中で「延命」に使われた「フルムーン」は、同時にクリーチャーの火力アップにも使えるカードです。(複数役割を持つカードはシナジーにとって大変有益です)
でしたら、デッキの攻撃力を底上げしたい時には上記役割「延命」を「火力増加」に書き換えて、リジェネーション3枚をブラッドルスト3枚に取り替えましょう。
ブラッドルストもフルムーンも低コストクリーチャーと相性が良い(シナジーです)ため、ファイヤースネーク4枚とヘルステッド2枚が欲しくなるかもしれません。その場合、早期ボード制圧が主眼になるわけですから「クリーチャーコントロール」枠を外してパックウルフをもう1枚とさらに2枚のヘルステッドを加える事も選択でしょう。
ボードリセットカードが怖い? 忘れてはいけません。我々には3枚のフリースペースがあるのです。そこに3枚のビヒモスを入れれば後半戦の問題にも対処できるようになります。
こんな具合にして簡単な「役割」調整により全然違うテーマのデッキが作れます。
(こういう組み方をした場合、3枚のビヒモスは「ヘビー火力」としての役割を安定して毎ゲーム発揮できませんから……6枚に足りないため……後半戦のオプションとしてのみ機能するでしょう。そう、そのデッキはあくまで相手を低コストクリーチャーで圧倒する事がメインのデッキになるのです)
- 4 限定的ケース考慮によるデッキ精錬
そして6つの大きな「役割」に続いて、よりマニアックな状況を含んだ実装を考えましょう。
例えばステルスクリーチャーに攻撃されるケースです。我々の例示した3個目の役割「ヘビー火力」に照らし合わせるならばビヒモスよりもミノタウロスを使う事も可能ですが、このようにステルスクリーチャー除去としてのサブ目的を考慮にいれてビヒモス採用が安定すると決断できます。なお、デスメイジやら6枚のクリーチャーコントロールカードも含めてステルスクリーチャーに対応するカードは豊富にあります。
- 5 補いと代用としてのヒーロー
ヒーローの持つ役割は巨大です。デッキ全体のテーマに大きな決定力を行使しうるほどに。
ヒーローの持つ能力は各状況で我々に利益をもたらします。ボードコントロール、直接ダメージ、防御、アイテム破壊、などなど。たいてい、どのヒーローを使っていてもどの役割も実行可能ですが、私たちはたいていヒーローを選んだあとに、そのヒーロー能力を考慮にいれた上で各6つの「役割」を準備していく事でしょう。
ヒーロー能力をデッキにかみ合わせる一つの道としては、あるカード群をヒーロー能力に置き換えてしまう事です。Ter Adunをヒーローにしてデッキを組むときにはアイテム破壊を減らす、という例がわかりやすいでしょうか。ただし単純に「アイテム破壊カードを入れずに組めばそれでいい」と考えて欲しくはありません。その役割がどれほど重要なものか、その役割を担うカードが何枚あればデッキが使いやすいか、を考慮にいれた上で枚数は調整してください。
もう一つの道。それはヒーロー能力を「役割」の補助材料として捉えることです。エラドウィンのヒーロー能力が解りやすく、4ターンごとの4ダメージは「直接火力」の役割を豊富に水増しするものです。(※訳者注:ver1.29以前の当時、エラドウィンのヒーロー能力は相手ヒーローに直接ダメージを与える事ができました)
- 6 極端状況を考える・超長期戦または超早期戦
上で取り上げた「3枚のビヒモス」のように、後半戦に引ければいいだけの数枚のカードを潜ませる事は有効です。クリーチャー除去が異様に多い相手と戦い場が膠着したときだけ手札にやってきてくれるので。
エレメンタルを使うプレイヤーならデッキに一枚だけエターナルリニューアルを入れておく事の有効性を知っていることでしょう。これはデッキ切れを起こす前に一枚だけ引ければ十分なカードだからです。
そして超早期戦にばらまきたいカードたちは、コスト帯ごとに「6枚」では不十分なので、確実にドローするためにもっと増やすべきでしょう。
最後に。基礎基本は忘れないでいてください。テンポ、ボードコントロール、付与ダメージ量、リソースカーブ。
この記事は我々が基礎を理解するのを手助けします。
この記事は我々がカード枚数の最低限と最大限を意識する事を手助けします。
この記事は、最後に、我々が解りやすい方法でデッキを構築する事を手助けします。
記事要約
・デッキの主役割は最大6つ。その役割を構成するカードは最低6つ。
・カードが2つ以上の役割を果たせるように努力してみよう。シナジーを促進させ、デッキが対処できる状況というものを可能な限り増やしておこう。
・「カード」を考える事なかれ。「役割」を考えよう。カードはあくまでも役割達成のための手段なのだから。
お読みいただきありがとうございました。
<<<原文ここまで>>>
訳者コメント:この手法で常に強いデッキが作れる保障はありません。しかし、強そうなカードを順に入れていって空いたスペースに好きなカードを入れる、強い人のレシピをコピーする、適当に組んだデッキを使ってみて弱かったカードを抜き別のカードに取り替え順次強化を繰り返してみる、などのデッキ構築法では決してたどり着けないような「新しく」かつ「強い」デッキを生産する可能性を持つ構築法でございます。必ずしも徹頭徹尾この手法に頼りきりにはならないとしても、最初の「荒組み」に採用するとか、最後の「欲しい役割のカードが、役割ごとに6枚以上あるだろうか」をチェックするための検査計として部分的に使うといった活用法もありでしょう。
そして何より新カードをデッキに組み込むにあたって。今まで自分が使ってきたデッキを「役割」ベースで考えてみて、「この新カードは○○の役割を果たすカードだから、今までのデッキの、このスペースにこの新カードを入れれば従来のデッキ構造を維持したままで新しいカードが試せるぞ」と、あくまでデッキムーブを大きく崩すことなく新しいカードをどんどん試していける楽しさがあり。
サクリファイス用のカードの選択時にも「役割かぶり」に応じて切る札を選んでいけるなどの効能があります。なかなか興味深い記事であると、私は考えました。
翻訳がぎこちない部分は、半分はわざと(異国語っぽさを演出したかったのと、意訳による伝達のズレを防ぎたかった)、あと半分は単純な能力不足です。
rule of six に基づいて作られたデッキサンプル
Amber deck
A)序盤クリーチャー:クリストファアー4・ブリジットスカルボーン2
B)コントロール:グリッピングブロウ3・リトリート3
C)強力な中コストクリーチャー:ジャスミン3・アルドン3
D)ドロー:ブラッドフリンジ4・バッドサンタ2
E)ヒーローアタック:ジュエラー4・バーサーカーエッジ2
F)アイテム除去:スマッシュブロウ3・ミスプレイス3
フリースペース:ブリジットスカルボーン1(序盤の水増し)イオン2(終盤のアリー守護)
rule of six フォーラム内受け答え選集
(2ちゃん風に激しくアレンジしとりますが気にしないでください)
16 : TGM : 2011/11/4 (水) 08:47:45.22
つまりウルフデッキでいえばこんな感じ?
A)低コスト帯の厄介なクリーチャー
B)カードドロー
C)サバイバル(相手より長生きする)
D)ゲーム延長 パート1
E)ゲーム延長 パート2
F)相手をイラつかせるカード群
どう? どっか間違ってる?
17 : graphlem : 2011/11/4 (水) 08:53:31.14
>>16
より正確には
A)相手をイラつかせるカード群
B)相手をイラつかせるカード群
C)相手をイラつかせるカード群
D)相手をイラつかせるカード群
E)相手をイラつかせるカード群
F)相手をイラつかせるカード群
じゃね?
18 : doghouse : 2011/11/4 (水) 09:14:30.55
>>17
ワロタw
コメント
ページ名を「デッキ組み立て法」、と銘打った以上は他の様々なデッキ構築法がある場合それらもまとめて併記したいと考えてます。5個6個とメソッドが増えた場合には、個別ページに切り分けて、このページはそれらへのリンクを貼り付けるだけにする、などの多少の工事も必要になるでしょう。そうしてなるべく体系づけられたメソッドの林立するページにできれば良いなと個人的には考えます。